付言事項

法律に定められていないことを遺言することをいいます。

付言事項については法的な効力は生じませんが、遺言の内容を実現させるために重要な要素の一つと言っても過言ではありません。

なぜなら付言事項に書く内容によっては相続人の気持ちを反発させてしまうことも、円満な相続を実現するカギになることもあるからです。
例1)遺言者亡き後、兄弟間で遺留分侵害額請求などのもめごとが発生しないようにとの配慮に基づくものですので、どうか遺言者のこの気持ちを汲んで、相続のことで争うことなく皆仲良く暮らしてください。
例 2)次男〇〇は私の言うことを聞かずにわがままに過ごしてきたので、遺留分などもっての他だ。

例2ではせっかく残した遺言書もトラブルの種になってしまいます。相続人間の人間関係がギクシャクし、相続手続きが進まないことも考えられます。
それに対して例1のように遺留分を侵害する内容だったとしても、その理由と前向きな気持ちを表すことでトラブルが回避でき、円満な相続を実現できる可能性を高めることができます。

付言事項には相続人、家族への感謝の気持ちや特定の個人に多く遺産を残す場合など自身の意志を尊重してほしいというようなお願い、葬式の方法を指定したい場合にその旨を書くと良いでしょう。

繰り返しになりますが、付言事項には法的効果はありません。しかし、遺言者の心を相続人に伝える効果が期待できます。

否定的なことは書かずに、最後の手紙として捉えて前向きな気持ちを書くことで遺言にぬくもりをもたらしてくれるでしょう。
付言事項は遺言書の内容を実現させるための大きなポイントです。

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