尊厳死とは

「尊厳」とは尊く犯しがたいという意味だそうです。
また、「人間の尊厳」とは、「その人が人として生き、存在していることをかけがえのない価値として大切にすること」を表すそうです。
人として、自身の価値観を守る最後の場面に備えて、事前に文書に表しておくことの意義は大きいと思います。

「尊厳死」は、病気や事故などで回復の見込みがない末期状態になった患者に対して、生命維持治療を差し控える、または中止して、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えることをいいます。

尊厳死が認められるのは、医学的な見地から治る見込みがなく、死期が迫っていて、人工呼吸器をつけるなどの延命治療をしても死期を引き延ばすだけという場合であると解されています。

なお、安楽死との違いですが、安楽死は本人の希望により、主治医が薬物を用いて死に至らしめることをいいます。人為的に死を招くことになるので、日本では刑事罰の対象になる可能性が高いです。

  「尊厳死宣言」は、自らの考えで尊厳死を望む、すなわち延命措置を差し控え、または中止する旨等の宣言のことをいいますが、医療現場ではそれに必ず従わなければならないとまではいまだ考えられていないこと、治療義務がない過剰な延命治療に当たるか否かは医学的判断によらざるを得ない面があることなどからすると、「尊厳死を望む」という意思表示をしても、その通りに実現される保証はありません。

もっとも、尊厳死の普及を目的としている日本尊厳死協会の機関誌「リビング・ウィル」のアンケート結果によれば、同協会が登録・保管している「尊厳死の宣言書」を医師に示したことによる医師の尊厳死許容率は、近年は9割を超えており、このことからすると、医療現場でも、大勢としては、尊厳死を容認していることがうかがえます。
よって、尊厳死宣言書を作成しておくことで、その実現の可能性はかなり高まるといえます。

では、具体的に「尊厳死宣言書」にはどのような内容を盛り込む必要があるのでしょうか。
次回はそのポイントについて書きます。

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