名寄帳とは
名寄帳とは、市区町村が作成している固定資産課税台帳を、所有者別に一覧表でまとめたものです。名寄帳の読み方は、「なよせちょう」です。
名寄帳には以下の情報が載っています。
・土地や建物の所在地
・課税標準額
・評価額
・課税額
名寄帳を取得することで、請求した市区町村内に相続人が所有する不動産を一度に把握することが可能ですので、名義変更手続きや相続税の申告のヌケ防止にとても有効です。
なお、未登記や非課税の物件についても、名寄帳に記載されます。
相続手続きが始まったら、名寄帳と固定資産税評価証明書を取得することをおすすめします。
名寄帳は所在する不動産がある市区町村で取得が可能です。(東京23区内は管轄する都税事務所になります。)固定資産税評価証明書と同様郵送で取り寄せることも可能ですが、相続人が申請する場合は、相続人の本人確認書類とは別に、被相続人との関係がわかる書類(相続人の戸籍謄本、被相続人の除籍謄本・住民票の除票など)が必要となります。
名寄帳の注意点
①取得した名寄帳に記載されている情報が最新ではない可能性がある
名寄帳に記載されている情報はその年の1/1時点の情報です。1/2以降に売買や相続などによって所有者が変わっても、最新の情報に書き換えられるわけではありません。つまり、1/2以降に所有者が変更になっても、その年の固定資産税は1/1時点の所有者宛に請求されることになります。
なお、名寄帳を取得して土地や建物が記載されていなければ、売買契約書や登記事項証明書で確認する必要があるでしょう。
②所在する市区町村に土地や建物があるかの情報になる
被相続人が複数の市区町村に土地や建物を所有していた場合は、市区町村ごとに名寄帳を取得する必要があるということです。
ということは、どの市区町村に土地や建物を所有しているか不明な場合は、名寄帳を取得はできないということになります。この場合についても売買契約書等を確認する必要があるでしょう。
繰り返しになりますが、名寄帳は、市区町村ごとの不動産についての情報が掲載されており、被相続人が不動産を所有していた場合、所有している可能性が高い場合は、必ず取得しましょう。